東洋医学の診断方法で脈診というものがあります。
大昔にも色々な病があり今よりももちろん情報が乏しく病が何であるのか分からない時代に、医師たちは身体の状態を調べるのに脈を診ることを大切にしました。
脈は、常に動いていて身体で唯一リアルタイムの動きを触診できます。身体がどういったときにどういう脈をしているのか、早さや強弱、硬いのか柔らかいのか、浮いているのか沈んでいるのか、どのような特徴的な性質があるのか、ありとあらゆる方向から脈の様子を診て分類化して身体の状態とつなげていきました。そして、治療の前後で脈の変化を診て治療の効果を判断しました。
脈診は手首の脈を診ていくのですが、動脈には血管の平滑筋というものがついていて自律神経がこれを調節し収縮させたり弛緩させたりして変化させています。例えば、自律神経が乱れ交感神経優位となり血管の平滑筋が緊張すると硬い脈が出てきます。
治療の前後で脈の状態を診て良い結果につながるように治療を微調整し役立てて、脈診の重要性が確立されていきました。