コラム「健康を科学する」酒井 悠次

スラムダンクに学ぶ勝利への突破口を切り開く自問自答のちから

こんにちは、健康心理アドバイザーの酒井悠次です。

 

先日、久しぶりに私の大好きな漫画、スラムダンクを読んでいました。スラムダンクは週刊少年ジャンプで連載されたバスケット漫画です。

 

バスケット初心者の桜木花道が好きな女の子に近づくため湘北高校バスケ部に入り、インターハイ全国制覇を目指していく物語なのですが、当時、小学生だった私はこの漫画が大好きでした。アニメ化もされたので、そちらも楽しみに観ていましたね。

 

昨年には26年ぶりに映画も公開され、日本のみならず海外でも大ヒットしたそうで、改めてスラムダンクの人気を感じました。

 

そんなスラムダンクですが、作中には個性豊かなキャラクターたちが数多く登場しています。

 

主人公である桜木花道はもちろん、チームメイトである湘北のメンバーや湘北のライバル校たち。どの登場人物も魅力的に描かれています。

 

そんなキャラクターたちにはある共通点があります。

 

それは自問自答のスキルが高いことです。自問自答とは文字通り、自らに問いかけ、答えを出すことです。たとえば「今日の夕食は何にしようかな?」「そうだカレーにしよう」というように自分で自分に語りかけ、答えを見つけていくような具合です。

 

そしてスラムダンクのキャラクターたちは、この自問自答のスキルがとても高いんですよね。

 

たとえば、桜木花道は高校からバスケを始めた素人です。抜群の身体能力はあるものの、バスケの知識、技術は当然、劣ります。ですが、彼はあきらめません。そんな桜木花道の自問自答のスキルが発揮された試合があります。

 

インターハイ予選、湘北の相手は神奈川の王者、海南大付属。

 

試合は後半の終盤を迎え、一進一退のまま進んでいきます。そんな中、花道は神奈川No.1プレーヤーの牧紳一からファールを受けます。

 

ファールを受けた花道にはフリースローのチャンスが与えられます。ですが、経験不足の花道ではフリースローを入れられない可能性が高いです。

 

そんな中、花道はある打開策を見つけます。

 

それはフリースローを下から投げることでした。バスケ経験者の投げ方ではなく、両手でボールを持って下から投げるというやり方です。

 

しかも花道はその投げ方を誰にも教わることなく、自らの力で編み出しました。

 

そして花道は見事にフリースローを決めます。

 

この花道のプレーに対して湘北高校の監督である安西監督は、

 

「自分一人が初心者という状況でそれでもなんとかしようと、いつも彼なりに必死に考えながらやってるんですよ…」と話します。

 

バスケ未経験者の桜木花道が、湘北高校に欠かせない存在にまでなれたのは、まさにこの自問自答のスキルが大きかったからではないでしょうか。

 

桜木花道のように自問自答のスキルを上手く使いこなすことで、気づき、アイデアの発想力、問題解決力、目標達成力が高まります。

 

というのも、自分に質問を投げかけることで脳が自然にその答えを探してくれるからです。

 

Google検索のようにキーワードを入力すれば何らかの情報が出てくるように、自分に質問を問いかけることで脳がその答えに導く情報、気づきを与えてくれます。

 

まさに桜木花道のフリースローがそのお手本ですね。

 

では、どうすれば自問自答のスキルを高めることができるのでしょうか。

 

ポイントは、どうすれば〇〇ができるようになるか?と可能思考で自分に問いかけることです。

 

たとえば、桜木花道は「初心者の自分でも、どうすればフリースローを入れられるか?」と考えた末に自分に合った投げ方を思いつきました。

 

「どうすれば〇〇ができるようになるだろうか?」

 

「〇〇をするために必要なことはなんだろうか?」

 

というように可能思考の問いかけをすることで、その問いに合わせた答えが生まれます。なので困難や逆境のなかでも「では、どうすればできるようになるだろうか?」と自分に問いかけてみてください。

 

もう一つのポイントは、自分が本当にやりたいこと、考えたいことかどうかです。

 

桜木花道でいえば湘北が勝利するため、自分ができることを自問自答することは、誰のためでもない自分のやりたいことです。

 

そもそも、貴重な時間を使って、自分がやりたくないこと、嫌なことを考えるのは非常にもったいないことです。また、自分がやりたいこと、ワクワクすることを考えるのは楽しいですし、そのポジティブな感情が独創的なアイデアを生み出し、行動力を高めます。

 

ですので自分が本当にやりたいこと、考えたいことを自問自答するのが良いですね。

 

ただ、そうは言ってもやりたくないことを考える必要もあります。そんな時は自分にとってプラスになるように変換しましょう。たとえば、「〇〇から学べることはなんだろうか?」「〇〇をすることで得られる意味はなんだろうか?」と問いかけてみてください。

 

いずれにしても、あまり無理に自問自答するのではなく、気軽な気持ちで楽しみながら行うのが良いですね。下記におすすめの質問をリストアップしてあるので良ければ参考にしてみてください。

おわりに 

 

いかがでしたか。よく自己啓発書では人生の質は質問の質で決まると言われています。

 

ディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニー氏は「ディズニーランドは完成することはない。世界に想像力があるかぎり、永遠に成長しつづける」という言葉を残しています。

 

そしてその想像力を生み出しているのが、子どもたちを喜ばせたい、世界中の人々に楽しんでもらうにはどうすれば良いか、という問いを考え、行動に移してきたからではないでしょうか。

 

スラムダンクの登場人物たちもインターハイ全国制覇に向かい、さまざまな逆境や挫折、困難に陥ります。ですが、そのなかでも勝利のため各々が自問自答を繰り返しながら、成長していきました。

 

自問自答は人生をより良くするための突破口になります。ぜひ、皆さんも自分がワクワクする質問、楽しくなるような質問を自分に問いかけてください。

 

そして、得られた気づきを試してみることで思わぬ幸運が待っているかも知れませんよ。

 

参考文献

 

『SLAM DUNK(スラムダンク) コミック14巻』(井上 雄彦 週刊少年ジャンプ集英社)

 

『コミック版世界の伝記 ウォルト・ディズニー』(漫画:中祥人、シナリオ:星井博文、監修:ウォルト・ディズニー・カンパニー ポプラ社)

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