こんにちは、健康心理アドバイザーの酒井悠次です。~
今年の4月から始まったこのコラムも早いもので15回目となりました。ここまでお付き合い下さり、本当にありがとうございます。これまでどの話が面白かったでしょうか。少しでも皆さまのお役に立てていれば幸いです。
さて、本日のテーマですが、改めてこの『健康を科学する』というコラムを通して私がお伝えしたいことをお話しします。
それは、ほんの少しでもいいので自分の健康について理解を深めてほしいということです。
それはどうしてかと言うと、自分の健康について理解を深めることは人生をより良いものにする、より幸福にするきっかけとなるからです。
「今の気分、体調や体の調子はどうだろうか?」
「睡眠時間はしっかり取れているだろうか?」
「適度な運動をしているだろうか?」など、自分の健康状態を理解する。そして、良いものは更に良くしていく、悪いものは少しずつでも改善していく。
そうした積み重ねが自分の人生を有意義にしていきます。
そして、それは自分のみならず自分の大事な人にも良い影響を与えるはずです。
ですので、私は皆さまに少しずつでもいいので自分の健康を考える、理解することの大切さをお伝えしたいと思います。
では、どうすれば自分の健康について理解を深めることができるのでしょうか。
私がおすすめするのは健康について観察日記をつけることです。
その日の気分や体調、身体の痛み、前日の睡眠時間といったことを記録することで自分の健康の理解を深める手がかりとなります。
たとえばこんな具合です。
(1)気分/体調
「今日は体調が良いな」「少し気分が悪いな」というように自分の気分や体調を意識して把握しましょう。意外に自分の気分や体調を言葉にするのは難しいものです。あまり意識することもないですからね。
自分の体調変化に気がつきやすくなることで体調の悪化、病気の予防につながります。ですので、今の気分、体調を把握することはとても大事です。
(2)体の痛み、異変
体の痛み、異変は体からのSOSです。そのSOSにすぐに気がつくためにも自分の体に痛みはないか、何か異変はないかと問いかけてみましょう。
(3)睡眠時間
「最高の健康法とは何ですか?と聞かれたら、睡眠をしっかり取ることである」と答える専門家もいるほど睡眠は大事です。睡眠不足の状態が続くのであれば健康に悪影響を及ぼすだけでなく仕事のパフォーマンス、生活の質にも関わります。そんな大事な睡眠時間を記録しましょう。
(4)体重
人によって体重は個人差が激しいものですが、定期的に体重を記録することで体重の増減が分かるようになります。急激に体重が増えている、減っているとなれば、それは病気の兆候かも知れません。ですので体重の記録をつけることでそうした兆候に気がつきやすくなります。
(5)食事
「医は食なり」という言葉の通り、食事は自分の健康を作ります。どんな食べ物を食べたら良いかはやはり個人差があるので一概には言えません。その人によっては良くても別の方にとっては悪いかも知れませんからね。なので自分に適した食事をバランス良く食べることが大切です。そのためには、普段、何を食べているかを把握することが大事です。
(6)運動
運動をする習慣、体を動かす習慣はありますか。適度な運動や体を動かす習慣は健康を保つ大切な要素です。健康の増進、筋力の維持、向上にもつながり、食事や睡眠の質も上がります。まずは、ほんの少しずつからでも良いので運動、体を動かす習慣を作りましょう。
(7)リラックスタイム
先ほどの運動習慣と同様にリラックスをする時間は大切です。ストレス社会と言われるほど忙しい現代ではいかに自分が意識してリラックスできる時間、心を休める時間を作るかが大事です。日々の雑念を忘れてその時間だけは何も考えずにリラックスする時間を作りましょう。
(8)フリースペース
フリースペースはあなたの気がついたことを自由に何でも書いてください。
毎日、記録していくことで自分の健康理解が深まり、どこを改善すればいいのかが分かるようになります。面白いもので書き出すことで意外な気づきもあると思います。ぜひ、あなたの健康理解を深める手がかりとしてください。
おわりに
『健康になる技術大全』の著者である林英恵さんは「健康について考えることは、自分の命や、人生と向きあうことでもある」と著書に記しています。しかし、私たちはそんな大切な健康について考えることをつい後回しにしてしまいます。
私の父がまさにそうなのですが、病気になったことで「あぁ〜もっと体に気をつけておけばよかった」と嘆いたり、自分の価値観や生活習慣を見直すきっかけにする方も少なくないでしょう。ですが、病気になってから自分の健康を考えることはありません。自分の健康状態が良いうちから理解を深めてもいいのです。そのための手がかりとして健康観察日記をぜひ活用してみて下さい。
参考文献
『健康になる技術大全』(林英恵 ダイヤモンド社)