こんにちは、健康心理アドバイザーの酒井悠次です。
健康リテラシーという言葉をご存じでしょうか。「健康や医療に関する情報を入手して、その情報を正しく理解、活用する能力」のことを言います。
いつの時代も健康は最大の関心事の一つです。「病気にならず、ずっと健康でありたい」「一生、自分の足で歩きたい」など健康を求める欲求は、私たち人間が持つ本能と言えるかも知れません。
その欲求に応えるためか、テレビでは健康、医療に関する番組が数多く放送されています。また、テレビのCM、新聞広告でもサプリや青汁といった健康食品の宣伝をよく見かけますよね。
こうした情報に触れるなかで、あなたはこう思ったことはありませんか。「これって本当に効果あるの?」
良くも悪くも健康や医療に関する情報は世の中にあふれています。特にスマートフォンの普及に伴い、私たちは自分が求める情報をインターネットで手軽に調べることができるようになりました。
確かに情報を調べやすくなったことは便利ですが、その情報が本当に正しいものなのか、見極める能力が必要な時代になったのも確かです。
自分や家族の健康を守るため、正しい健康法を見極め、活用していく能力、すなわち健康リテラシーを高めることは、多すぎる情報に生きる現代の私たちにとって必要不可欠と言えるかも知れません。
では、どうすれば健康リテラシーを高めることができるでしょうか。
ただ、健康リテラシーを高めることはそう簡単なことではありません。
なぜなら、医療を専門的に学んだことがない人からすれば、その分野の知識が全くないからです。当然、知識がなければ何が正しくて、正しくないのか判断することは難しいですよね。
そして、何か一つこれをすれば高まるというものでもありません。ですので、健康リテラシーを高めることは一朝一夕にはいかないことを忘れないでください。
そのうえで、私がおすすめする健康リテラシーを高める方法をご紹介します。それは情報源を一度、自分の手で書き起こす作業をすることです。
たとえば
- 何について書いているのか
- 誰がその情報を発信しているのか
- 何を根拠にしているか
- その情報は最新のものか、それとも古いものか
- どういう使い方をするのか
- メリット、デメリットは?
といった内容を書き起こすことをおすすめします。
どうして書き起こすことが良いのかと言うと、情報に対する理解力が高まるからです。やはり、聞くだけ、読むだけよりも自分の手で書きだすことで理解力がより高まります。
たとえば、薬の名前や使用方法、副作用などを記入するお薬手帳がありますよね。お薬手帳を持つことで、自分が何の薬をどういう目的で飲んでいるのか、薬の飲み忘れ防止、正しい使用方法などが理解できるようになります。
つまり、お薬手帳をつけるように情報の要点を自分の手で書き起こし、それを把握することで健康リテラシー向上に役立てられるということですね。
ポイントとしては、発信者が誰なのかを意識することが重要です。
たとえば、厚生労働省やWHO、公的な医療機関であれば信頼性は高いですが、専門知識を学んでいない個人の体験談であればその信頼性は低くなってきます。
また、少し時間を置いて冷静に考えることも大事です。その健康情報は正しいのか、お医者さんや専門家に相談した方がいいのではないかと客観的な判断を求めることも健康リテラシーを向上させる大切なポイントです。
おわりに
いかがでしたか。『健康になる技術大全』の著者、林英恵さんは健康になるためには、「WHAT(何)を」「HOW(どのように)」行ったら良いのか、自分の環境や特性(弱点・強み)に合わせて実践する技術が必要だと述べています。
世の中にはあらゆる健康情報であふれています。そのなかで、自分に最適な健康法を見極め、実践していくことが重要になります。
その助けとなるのが健康リテラシーです。健康リテラシーがあれば不確かな健康法に振り回されず、自分にとってより良い健康法を見極められる助けとなるはずです。今回、ご紹介した方法があなたの健康リテラシーを向上させる一助となれば幸いです。
参考文献
『健康になる技術大全』(林英恵 ダイヤモンド社)